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2001/03/29

ブラック・ムービー
2001春夏コレクション

 今年のアカデミー、最優秀主演/助演賞には男女とも黒人アクターのノミネートがなかった訳ですが、どうしちゃったんでしょうか。でもベスト・アクター(最優秀男優賞)のラッセル・クロウはオーストラリア人、ベスト・サポーティング・アクター(最優秀助演男優賞)の“今もっともクールな男”ベニシオ・デル・トロはプエルト・リカン。香港出身のアン・リー監督による「クラウチング・タイガー、ヒドゥン・ドラゴン」は最優秀外国映画賞など4つの賞を獲得と、一応、国際色豊かな顔触れではありましたが。


 受賞の瞬間、ラッセル・クロウは本当に驚いていましたね、大本命であったにもかかわらず。きっとオーストラリア人なので取れるとは思っていなかったのでしょう。昨年も「インサイダー」でノミネートされたものの受賞できなかったし、そもそも「LAコンフィデンシャル」ではノミネートすらされなかった訳ですから。


 反対にアン・リー監督は最優秀監督賞を逃した際に、なんだか納得がいかないような顔つきでした。受賞したスティーヴン・ソダーバーグ監督の「トラフィック」よりよっぽどヒットしたのに、とでも言いたげな感じで。

 そのスティーヴン・ソダーバーグ監督、アメリカ人ですがユダヤ系です。映画界も含め、アメリカのメディア/エンターテインメント・シーンはユダヤ系が多くを占めており、今回も受賞の瞬間に黒人聴視者などは「またユダヤ人が取っちゃったよ」とつぶやいておりました。もっとも今回、ソダーバーグ監督は「トラフィック」と「エリン・ブロコヴィチ」の2作品でのノミネートですから妥当かとも思えますが、とにかく何であれ、人種を抜きには話が進まないアメリカではあります。


 それはさておき、ブラック・アクター陣には来年期待ということで、今年春〜夏の新作を紹介します。なるべく多くが日本でも公開されることを祈りつつ。



●The Brothers
3月23日公開予定/4人の主人公のうち、モリス・チェスナットがセクシーだとなかなか評判の男版「ため息をつかせて」。
監督:ゲイリー・ハードウィック(初監督作品)
http://sony.com/thebrothers


●Along Came a Spider
4月6日公開予定/モーガン・フリーマンが学者刑事を演じたサイコ・ドラマ「Kiss the Girls」の続編。
監督:リー・タマホリ(Once Were Warriors, The Edge, Mulholland Falls)


●Kingdom Come
4月11日公開予定/お葬式のために久々に集まった一家の騒動を描くコメディ。ウーピー・ゴールドバーグが一家の中心の母親、LLクールJが長男、ヴィヴィカ・A・フォックスがその妻。他にトニ・ブラクストン、ジェイダ・ピンケット・スミス。
監督:ダグ・マクヘンリー(ハウス・パーティ2)
www.foxsearchlight.com/kingdom_come/


●Pearl Harbor
5月25日公開予定/日本軍による真珠湾奇襲に対し、アメリカ人がいかに果敢に闘ったか。キューバ・グッデンJr. が「Men of Honor」に続いて、また戦争物に。ベン・アフレック、ダン・エイクロイド。
監督:マイケル・ベイ(バッド・ボーイズ、アルマゲドン)
www.PearlHarbor.com


●What's the Worst That Could Happen?
6月1日公開予定/ダニー・デヴィート演じる億万長者と、マーティン・ローレンス演じるコソ泥によるドタバタ・コメディ。
監督:サム・ウェイスマン(The Out-of-Towners, George of the Jungle)


●Dr. Dolittle 2
6月22日公開予定/エディ・マーフィが動物語を話せる医者を演じた「ドクター・ドリトル」の続編。
監督:スティーヴ・カー(ネクスト・フライデイ)


●Baby Boy
6月29日公開予定/衝撃のデビュー作「ボーイズン・ザ・フッド」から10年、ジョン・シングルトン監督が念願の続編を完成させた。ただしキャストは全員変更。成長した主人公にタイリース・ギブソン。他にヴィング・レイムス他。
監督:ジョン・シングルトン(シャフト、ハイヤー・ラーニング、ポエティック・ジャスティス)


●Scary Movie II
7月4日公開予定/昨年、大ヒットとなったウェイアンズ3兄弟によるホラー・コメディの続編。アナ・ファリス、ティム・カリー、ショーン&マーロン・ウェイアンズ。(最近、長兄デーモンはTVでマイホーム・パパ役を演じてます)
監督:キーナン・アイヴォリー・ウェイアンズ(スケアリー・ムーヴィー)


●The Fast & the Furious
7月13日公開予定/違法改造車レースに燃えるLAのギャングたち。ひたすらのスピード&バイオレンスの連続に、予告編を見た観客もあきれたほど。原作はヒップホップ・マガジン“Vibe”の記事で、ヴィン・ディーゼル、BT、ジャ・ルール他が出演。
監督:ロブ・コーエン (The Skulls, Dragon: The Bruce Lee Story)


●Rush Hour 2
8月3日公開予定/ジャッキー・チェン&クリス・タッカーによるアクション・コメディ刑事ドラマの続編。今回は香港とアメリカの両方が舞台。
監督:ブレット・ラトナー(ラッシュ・アワー)


●Rollerball
8月17日公開/近未来の殺人ローラーボール・ゲームのスタープレイヤーを、クリス・クレインとLLクールJが演じる。
監督:ジョン・マクティアナン(ダイ・ハード、プレデター)


●John Carpenter's Ghosts of Mars
8月24日公開予定/ホラー・キング、J・カーペンター監督の最新作に、アイス・キューブがナターシャ・ヘンストリッジに次いで2番目にクレジット。パム・グリアの名前も。
監督:ジョン・カーペンター(ハロウィーン)


●All That Glitters
8月31日公開予定/1980年代のNYクラブ・シーンを背景に、貧しい少女(マライア・キャリー)がシンガーとして成功するまでを描く、ほとんど彼女の自伝的作品。マックス・ビーズリー、エリック・ベネイ、ダ・ブラット。
監督:ヴォンディ・カーティス・ホール(Gridlock'd)

… なんだか今回もまたコメディとアクションばっかりですね。


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