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2002/08/01

ハーレム徒然6&7月編
-2002年-


6/3 99セント・ストアの前を通りかかったとき、店の中からいきなり自転車が飛んできて、舗道にガチャンと落ちた。同時にコワそうなおばさんが出てきて、一緒にいた気の弱そうな男に「Fuck you!」だのと怒鳴り始めた。隣の店先に座っていたお婆さんが、それを楽しそうに眺めていた。


6/4 いつも表で日なたぼっこしていた車イスの男の人が、昨日は、なんと、そこで義足を取り付けようと奮闘していた。今日、彼はいつもの場所に“立って”いて、通りかかった私に「今日は君に会えてラッキーだ!」なんてお世辞を言ってくれた。


6/5 うちの裏庭が面している別のアパートの一室で、男女の物凄いケンカが繰り広げられていた。家具が倒れる音までした。翌日は、同じ部屋で犬が一日中吠えていた。


6/6 地下鉄の車内には私と、はるか離れた席に座っているドレッドの男だけ。ポテトチップを食べながらコーラを飲んでいた男が、いきなり叫んだ。「ねえ、映画でもどぉ?」 私も叫び返した。「また今度ね」。男「OK、また今度ね」、そして何事もなかったかのようにポテチとコーラに戻っていった。


6/7 NBAのスター、シャキール・オニールがバーガーキングのCMに出演中。映画『シャフト』のパロディで、アイザック・ヘイズ自らが主題歌の替歌を歌ってる。♪チーズにソースに…シャック・パック♪どんな仕事も引き受ける度量の広い人です。


6/10 近所のアパートで火災警報機が鳴りだしたのは夜中の2時。いつまでも鳴りやまず、でも消防隊も来ない。結局、火事ではなかったものの、鳴り止んだのは12時間後=翌日の昼。なんとコメントしていいのかわかりません、ハーレム。


6/12 夜中に表から聞こえる歌声あり。ちょっと酔っ払った男が通りでサム・クックの名曲 『A change is gonna come』を歌っていたのだ。上手かった。ハーレム暮らしも良いもんだな、と思った。


6/17 ハーレムの不動産屋のセリフ「このアパートは中を改装したばかりの良い物件だよ。近所はちょっとファンキーだけどね」。ファンキーとはつまり、“ゲットー”だということ。


7/2 ハーレムにもクラい男がいる。いつもひとりで通りの同じ場所に立っていて、女の人が通るとニコリともせずに「Hi」とつぶやく。どうせ声を掛けるなら、もう少し明るくやらないと意味ないと思うが。


7/5 連日、華氏100度でアヘアヘなニューヨークですが、地下鉄で見かけた若いブラザーの腕のタトゥはカタカナで「チヘチハ」。いくら日本語が流行っているとは言え…。


7/24 バスで見かけたヒョウ柄パンツスーツのオバサマは歩く貴金属店状態。すべての指の第一、第二関節に指輪、ピアスも両耳に8ヶずつ、ネックレス、ブレスレット、アンクレットは多すぎてカウント不可能でした。


7/25 ハーレムを歩いた日本人新聞記者の感想は、さすがに鋭い。「『じゃりんこチエ』に出てくるような“しょうもないオッサン”がたくさんいますねー」。まさに、その通り。



ハーレム徒然1月編
ハーレム徒然2月編
ハーレム徒然3月編
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