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2002/02/28

ハーレム徒然2月編
-2002年-

2/28 黒人の子供には可愛い子が多い。けれど中には不幸にしてオジサン顔の子もいる。5歳のマイルスは、40年後もきっと今と同じ顔で、無口だけれど人の良いバスの運転手にでもなっていそうな雰囲気。アフリカン・ダンス教室では王様役なんだけど。


2/27 夜10時、バスの終点で、運転手は降りる乗客ひとりひとりに「バイ」、「グッナイ」と声をかけている。乗客もそれに「グッナイ」と応えている。年配の男性客は「Have a good evening.」と言って降りていった。


2/26 ボデガの入り口の脇に立ち、携帯に向かって叫んでいる若い男。「そんなんじゃダメだ! 成長しろよ! 大人になれよ!」。一体に誰に向かってお説教していたのでしょうか。


2/25 ハーレムに限らないけれど、通りやバーで「コンニチハ」とか、カタコトの日本語で話しかけてくる黒人男は黙殺するべし。単にアジア人の女の子と寝てみたくて、ついでにお金も盗れるかも、なんて考えてる人たちですよ。


2/24 黒人女性の車に乗せてもらったときのこと。ドミニカン地区を通れば「店には安物ばっかり!」、歩道を歩くメキシコ人を見れば「チビ!」、駐車場で白人女性に「早く発進して」と言われれば「駐車スペースが空くのを待ってるんだから、あんたこそ待ちなさい!」、ちょっと、ちょっと。


2/23 ハーレムの、とある不動産屋の入り口には大きな注意書きが貼ってある。「もしあなたが麻薬をやっているのなら、部屋探しの依頼も、求人募集への応募もしないでください」。ま、ハッキリしていて良いけれど。


2/22 ラティーノ経営の食料品店をボデガと呼ぶ。ハーレムのボデガで「コーヒー、砂糖抜き、ミルク入れて」と英語で頼むと、カウンターのおばさんがスペイン語でキッチンへオーダーを通す。出てくるものは、いつも必ず注文と違っている。なぜだろう。


2/21 ハーレムの暴れん坊ことアル・シャープトン師が、いよいよ本気で2004年大統領選出馬への準備を始めた。なんといってもジェームズ・ブラウンのために働いていたこともある人、ブッシュにファンキーな一発をお見舞いだ。


2/20 マクドナルドUSAのサイトには「1年中、黒人を祝おう」というコーナーがある。マックは安くても高カロリーでとりあえず満腹するから、「貧乏人のための福祉食」と呼ばれている。それを考えると、ちょっとねえ。


2/19 ハーレムで行われた小さなコミュニティ・イベントにて。1時から踊る予定だったアフリカン・ダンサーは「え?2時って言ったじゃん」と遅刻を悪びれる様子もなく、ご自慢のアフリカ風(?)パンツ一丁で激しく踊りまくってくれました。


2/18 ガイドブックの取材でハーレムを撮影中のこと。通りがかった若いカップルが「ボクたち新婚なんだ。撮影してよ!」。手をつないで、ほんとに楽しそうに笑ってる。いつまでもお幸せにね。


2/17 夜中の3時。表でラジカセを鳴らしながら「みんな愛してるぜ! I love y'all!」と叫び続ける男あり。愛しているなら寝かせてちょーだい。


2/16 25セント玉を入れてハンドルを回すと、おもちゃの入ったカプセルが出て来る、いわゆる“ガチャガチャ”はアメリカにもある。ハーレムのスーパーマーケットには、ゴールド・チェーン・ネックレスの入ったものがある。


2/14 ハーレムのスタバで知人に遭遇。ドレッドロックで笑顔のチャーミングな30代の男性。けれど実はソーシャルワーカーで、大学生の息子あり。私と一緒にいた友人は「イケメンですね」とコメントしたが。


2/13 ショーマンズというハーレムの小さなジャズ・バーにて。“オーナーのイトコ”とかいう男が話しかけてきて、これが結構うっとうしい。すると若い女性バーテンダーが「あなた、大丈夫?」と、さり気に割って入って男を追い払ってくれた。かっこいい人でした。


2/12 アパートの同じ階に住むミスター・ブラウンと、1階の郵便受けの前で会った。うちのポストには3通の手紙、なのに彼のポストはからっぽ。「きっとワイフがもう持って上っちゃったんだな」と、ちょっと淋しげにつぶやくミスター・ブラウン。


2/11 ついに!ハーレムに大型書店(カフェ付き)とGAPがやって来る。マンハッタンの他の地区には掃いて捨てるほどある本屋と洋服屋でこんなに興奮してしまう、ちょっと淋しいハーレム暮らし。


2/10 黒人の子供の名前は、なかなかキテいる。7歳のメッカと5歳のメサイア(救世主)はいとこ同志。もっと凄いのはカリズマ。ドレッドロックを布で巻き上げているエリカ・バドゥみたいな女の子の名は、なんとアフリカ。


2/9 久々に強めのパーマをあてたら、ハーレムの女性たちは「なんでそんなことしちゃったの?!」「私の髪よりナッピー(チリチリ)じゃない!!」と大騒ぎ。だって彼女たちは髪をストレートにするために、莫大な時間とお金とエネルギーを日々、費やしているのだ。


2/8 (昨日の続き)そのソウルフード大衆食堂のハゲ頭のオーナーが「君、何年生まれ?」と訊く。「年齢を訊いてるの?」と私。「年齢なんか訊いてないよ。生まれ年を訊いてるだけだよ」。この人たちは、どうしてこんなに口八丁なんだろう。


2/7 あるソウルフード大衆食堂のメニューに「スクレイプル」という見慣れない料理がある。ウェイトレスに、これは何?と訊ねると「さあ、知らないわね〜。どっちみち今は出してないし」。ハーレムで何かを質問すると、大抵こんな答えが帰ってくる。


2/6 世界経済フォーラム期間中は、スタバやGAPに24時間警護が付いたりと、もう大変だった。けれどハーレムはもちろん、そんな事態もどこ吹く風。いつもと同じで、みんなのんびり、緊張感のカケラもなし。


2/5 「ヨー!ニガ!」ハーレムではマセた小学生ですらお互いをこう呼ぶ。これは“黒人であることへの自己嫌悪の表れ”とか心理分析されてるけれど、それはともかく、日本人は絶対にマネしちゃいけません。単にカッコ悪いです。


2/3 「どうせ時間なんか守らないんだから、壊れててもいいじゃないか」−ある映画で、盗品の腕時計を売っていた男のセリフ。これって、やたらとゴージャスな時計をしているハーレムの男たちに言いたい一言。


2/2 雨が降ると125丁目の露店や洋服屋の店先に速攻で傘が並べられる。その中にはアフリカ柄のものもある。正直言って「そこまでしなくても」と思うが、ある黒人著名人いわく「すべての道はアフリカに通ず」。


2/1 アフリカン−アメリカンのおばさんは、アニマル・プリントが大好き。バスルームの小物が全部ヒョウ柄だったりする。家具はエナメルの黒にゴールドのアクセントがお気に入り。そして壁には、アフリカの彫刻がかならず飾ってあるのだ。




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