季節のご挨拶

読み込みに 時間がかかります

 


今年もお世話になりました。

 ところで、ニューヨークはまだちょっと元気が足りないかもしれません。あんな事のあった後ですから、いきなり以前のようにパワー全開とはいかないのです。でも少しずつ、それなりに回復しつつありますので、ぜひ訪れてみてください。

 願わくば、来年が誰にとっても平和で健康な一年となりますように。

New York Black Culture Trivia
堂本かおる

ハーレムの子供たち




2001/12/19

ハッピー・ホリデイズ・フロム・ハーレム!
黒人の子供がユニークな理由



ここに写っているのはハーレムの子供たちです。みんな本当にユニークな子ばかりです。

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 よく「黒人はみんな同じで見分けがつかない」という声を聞きます。その面白い例があります。先日、テレビで人気のある法廷ドラマを見ていると、逃亡する殺人犯を見たと主張する年配の白人女性が、ある黒人青年を指して「あの男だった」と証言するシーンがありました。ところが黒人青年の弁護士に犯人の外見の詳細を質問をされた証人は、次第に証言の内容があやふやになっていきます。


 そこへ次の証人として心理学者が登場し、「人間は一般的に、自分とは別の人種の違いを見分けることが苦手だ」という持論を述べました。これはドラマですから、こういった学説が本当にあるのかどうかは判りませんが、もし事実だとすると、黒人だけが特に見分けにくい人種ではないということになります。


 私自身も、この学者の発言を裏付ける事実をいくつか知っています。これは実際にあったことなのですが、1997年にニューヨーク/ブルックリンの警察署内で4人の警官から暴行を受けた黒人男性(カリビアン)は、主犯の警官をはっきりと覚えていましたが、あとの3人の顔は覚えていませんでした。それは主犯だけがイタリア系で黒髪だったのに対し、あとの3人は全員ブロンドだったからです。


 別の例としては、私と日本人の友人(女性)がハーレムを歩いていると、必ずといっていいほど誰かが訊きます。「あなたたちは姉妹?」と。私の顔を見慣れているはずのハーレムの子供たちですら、同じ質問をします。彼らにはアジア系は、顔立ちや年齢がまるで違っていても、ほとんど同じに見えているようです。

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 でも、このクリスマス・カードに写っている子供たちの顔を見る限り、みんな本当にユニークです。その理由のひとつには、アフリカン−アメリカンには、実はいろいろな人種の血が混じっていることが挙げられます。


 アフリカン−アメリカンとは、昔アフリカから連れてこられた人たちの子孫なわけですが、今ではほとんどすべての人に白人の血が入っていますし、その「白人」にもアイルランド系、イタリア系、フランス系、ドイツ系、ユダヤ系など、さまざまな特徴をもったたくさんの民族があります。白人の血以外にも、ネイティブ・アメリカン、ヒスパニック、アジア系の血が入っている人も多いのです。さらには、同じ黒人同士でもカリブ系、アフリカ系(ここでは、最近アフリカのセネガルやマリ共和国などから直接来た移民の意)はアフリカン−アメリカンとは顔つきが違い、その二者の間に生まれた子供たちもいます。


 こういった複雑な歴史と社会構造の結果が、ここに写っている子供たちです。顔立ちは先に書いた理由でさまざまですし、なかには薄茶色やグリーンの瞳を持つ子もいます。また茶色い瞳のまわりをブルーの輪が囲んでいる、とてもユニークな目をもつ人も黒人には時に見かけられます。肌の色も上質なチョコレートみたいに濃い茶色、カフェオレくらいの色、日本人と同じくらいの色までバラエティ豊か。ここには写っていませんが白人並みに白い子供もいます。髪の質も、ほとんどの子供はキンキー(縮れ毛)ですが、実はその縮れ具合も様々ですし、ウェービーヘア、ストレートヘアの子もいます。髪の色も黒ばかりではなく、赤茶色の子も結構多く、稀にブロンドまで存在します。


 もっとも、このハーレムの子供たちを生き生きとユニークに見せている本当の理由は、その個性豊かな性格だということは、言うまでもありませんけれど。



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