NYBCT

2001/11/12

ニューヨーク/クイーンズ飛行機墜落事故
ニューヨーク再興への長い道のり



↑クリックしてください。



 ニューヨークに、ほんの少しずつではあるけれど、観光客が戻ってきています。といっても、そのほとんどは他州から来ているアメリカ人客のようで、外国人ツーリストは、まだあまり見かけません。


 グラウンド・ゼロ(WTC現場)には連日、たくさんの人が訪れています。完全に崩れずに残っているビルの根本部分から鉄骨がぶらさがっているのが見え、とにかく生々しくショッキングです。あたりには異様な匂いもまだ立ちこめていますし、なんとも言い様のない気持ちになります。


 でも、これがテロのもたらしたものなのだと実感できます。たまたま上空を飛行機が通りすぎるとギクリとしますが、アフガンの人たちには、この恐怖感が日常なんだ…と思ったりもします。

・・・・・

 昨夜ここまで書き、あとは楽しいブラックカルチャー事情をなにか書こうと思っていたところ、今朝、またニューヨークのクイーンズで飛行機が墜落しました。


 現在ニューヨークは昼の12時過ぎ、墜落から約3時間が経過。さきほど、今回はテロではなくエンジン・トラブルによる事故だと報道されました。テロではなかったと聞いて、やや安心したものの、墜落機には255人の乗客・乗務員が乗っていましたし、墜落現場は住宅地でしたから、こちらにも被害者が出ています。


 事故機はアメリカン航空のニューヨーク発ドミニカ共和国行きの便でしたから、乗客の多くはドミニカからの移民が里帰りのために、もしくはドミニカからニューヨークに移住した家族・親戚を訊ねてきていた人が帰国のために乗っていたと思われます。


 私の友人にドミニカ出身の女性がいます。彼女の義理の妹が実はこのフライトに乗る予定でしたが幸いにも乗り遅れ、命拾いをしました。


 ニューヨークのヒスパニック移民のなかで、今、もっとも急激な勢いで増えているのがドミニカンです。ドミニカンたちはハーレムのさらに上、マンハッタン最北部のワシントン・ハイツ、インウッドという地区に一大コミュニティを形成していますし、ハーレムもブロードウェイから西はドミニカン地区となっています。だからドミニカンたちは、今やハーレムの構成員の一部です。

・・・・・

 ところで、この時期にエンジン・トラブルによる墜落事故を起こしてしまったアメリカン航空にはとんでもなく大きな責任があります。テロ事件以後、観光客がぱったりと途絶え、観光娯楽産業・航空業は大打撃を受け、全米で何万人という人が解雇されました。あれから2ヶ月経ち、クリスマス・シーズンの観光客カムバックを願ってニューヨーク市、企業や団体がキャンペーンを繰り広げ始めたこの時期に…。多くの人が、またニューヨーク行きをキャンセルするのでは、と心配です。


 最後に、今回の事故で亡くなられた方と、そのご家族に心から哀悼の意を表します。

What's New?に戻る
ハーレムの出来事に戻る

ホーム