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2004/09/08


ハーレム mini ジャーナル
-2004年8月-

8/2
雑誌の記事用に「ハーレムのイケメン」の写真をストリートで撮った。かなりイケてる二人を撮った後、バックアップ用にもうひとり、あんまりイケてないけど、まぁ一応って感じの彼に声を掛けた。「え?ハーレムのイケメン?どうしてボクを選んだの?ボクがファッショナブルだから?OK!」 素直でいいヤツでした。



8/8
ハーレム駅前に大きなポスターが貼られていた。上半身ハダカの若い黒人男性の写真に「死ぬほど有名になりたい〜エキゾチックダンサーの半生記」と書かれている。シスタたちを熱狂させる男性ストリップダンサーの自伝だ。そのポスターの前では「Mega Body」と名乗るダンサー本人がただひとりでチラシを配っていた。根性。


8/9
リック・ジェームズ逝去。享年56歳。20年前には過激で下品で不遜なファンク・パンク野郎で、後年はドラッグや暴行で逮捕続き。それで不思議と誰からも愛されていた。自然死だったと報じるニュースを聞いたうちの夫は「ドラッグによる自然死ってか?」と言いつつ、大ヒット「スーパーフリーク」を口ずさんだ。



7/10
「ハーレムの素敵な女性」の街角撮影を敢行。しかしこの週末、急に気温が下がったので人出ガタ減り。ここの住人は変温動物だったのか。しかもみんな着ている服までジミになっちゃって。それでもスタバで見かけた美人のふたり組は、なんと人生について激論中で声を掛けられず。彼女たち、生きる道は見つかったのでしょうか。


8/13
朝の10時に「カナダ在住のセネガル人でチェイマといいますが」と電話あり。「誰?」と私。「NY在住の妻があなたの電話番号をくれ、『挨拶の電話を入れておいて』と頼まれたのです」とチェイマ氏。「???奥さんのこと全然知らないけど???」「…そうですか。それはどうも失礼しました」??????


8/16
ドラッグストア内ですれ違った20歳くらいのブラザーふたり。ヒップホップ系だけど、どちらもなんだか朗らかで素直そう。ひとりが「あの店は友だちがオーナーなんだよね」と言ったとき、「友だち」の部分をいったん「nigga」と言いかけてから「homeboy」と言い直した。やっぱり育ちの良い子だったんだね。


8/20
近所の教会でお葬式あり。歩道に出て霊柩車の出立を待つ参列者の中にコワモテ20代の男性がひとり。目付き鋭く、黒いスーツもビシッとキマってる。そして、頭には下ろしたてパリパリの黒いドゥラグ。新しいのを買ったんだ、お葬式のために……。


8/23
ただいまAkonというラッパーの「Locked Up(ムショ入り)」という曲がヒット中。「ヤクを売ってたら捕まったんだ」「誰も面会に来てくないし」、そして「ここから出ることが出来ないよぅ」と、泣きが入りくりの切ないサビメロ。うちの親戚の女子12歳は、これをハナ歌で歌てます。……いいのか?


8/25
黒人と白人の不倫を描いた「ジャングル・フィーバー」を夜中のテレビでまた観てしまった。この作品、隠れ主役はジャンキー役のサミュエル・L・ジャクソン。麻薬代をせびる時のイカれたダンスは一見の価値あり。「ドゥ・ザ・ライトシング」でのDJ役も良かったなぁ。また観てみよう。


8/27
ハーレムの住人は老若男女を問わず、J-Walk(信号無視)が上手い。どんなに交通量が多くてもスイスイ渡ってしまう。なぜなら信号のある交差点まで歩くという概念がなく、目的の建物の前で道を渡るのが当たり前だから。ひとりではコワくて道を横切れないほど車が多い時、私は目の前を歩いている他人の後ろにぴったり付いて渡る。





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