NYBCT

2002/11/01

ハーレム徒然10月編
-2002年-


10/3 「ハーレム製のスウィートポテト」と書かれたTシャツを着て歩いてたら、通りすがりのおやじに「ほぉ〜!スウィ〜トポテ〜トォ!」と言われた。こんなの着ていた自分のせいなんだけど。


10/4 若い人に人気のオシャレな北欧系ディスカウント・ブティックH&Mがハーレムにオープンした。他の支店と違って男物は置いていない。なぜなら若い黒人男はヒップホップ・ブランドしか買わないから。


10/5 さらにはデパートまでオープンしたのだ、ハーレムには。凄いなあ再開発の勢い。でもストリートのおじさんたちは相変わらず、ひがな一日を呑気にストリートの立ち話で過ごしている。変わらないものもあるのだ。


10/6 ハーレムに住む知り合いで一番クールな名前を持っているのは7歳の子供で、その名もジミー・ブラック。もっともブラック、ホワイト、ブラウンって黒人にも白人にもある名前なんだけど。


10/7 銀行に行き副支店長のオフィスで、ある手続きをした。副支店長はまだ若い黒人男性で完璧なマナーと標準英語。ところが私用電話がかかってきた途端に「Whassup?」、しかもアクセントまで変わった。エリート黒人はみんなバイリンガルなのだ。


10/9 黒人が時間にだらしないことをC.P.Timeという。Colored People Timeの略だ。遅刻してきた友人を「おまえはC.P.Timeだな」と責めるおまえもC.P.Timeだぁ!と言いたくなる私は、つい時間厳守してしまう日本人。


10/10 CNNヘッドラインニュースが若者ウケを狙ってヒップホップ・スラングを使い始めた。でも真面目なニュースでは使わないそうだ。どうせならとことんやれば。「ワサ〜ップ!?イラ〜ク!!」とか。


10/11 アポロ劇場アマチュアナイトには劇場版とTV版があり、二者は昔から揉めていたが裁定でTV版の権利者が負けた。その権利者とは元マンハッタン区長。政治とアポロ。なんか、すごいでしょ。


10/12 通りすがりの男が「よぉ〜、ベェベェ」とニヤけながらすれ違っていった。よくあることなので気にもしない。けれど、やはり通りすがりのホームレスのお婆さんが「あんたみたいな娘は男の気を引くからねぇ」。仕方ないから1ドルあげた。商売上手だな。


10/16 今日はコロンバス・デイ。交差点で純白のコートと帽子でキメたお爺さんを見たけど、別に祝日だからじゃない。こんな格好の人は平日でも見かける。


10/17 アパートの同じ階に住む男性とエレベーターで乗り合わせた。「警察勤務ですか?」と訊いたら「えっ?どうして分かったの?」と驚く。だってNYPDのキーホルダーぶらさげてるじゃん。ハーレムの刑事さん、そんなに天然でいいのか?


10/18 アパートにドレッドロックの若い新入りドアマン。いきなり「食事でもどう?」と来たが、これをアパートの管理事務所にチクッたらクビ。それは可哀相だから告げ口しなかったのに翌週、彼は消えてしまった。きっと他の女性住人もナンパしたんだろう。馬鹿だな。


10/21 ジャズクラブでのライブに遅刻しそうになってハーレムの中を全力疾走していた日本人女性。するとたくさんの男性が「誰かに追われているのか?」と声をかけてくれ、中のひとりは目的の店まで車で送ってくれたのだそうだ。ハーレムじゃ命でもかかってない限りは誰も走ったりしないから。


10/23 いつも凝ったコーンロウの少年がクシャクシャのふたつくくりで登校。お母さんが寝過ごして髪を編んでもらえなかったから自分でやったそうだ。なんだか妙に可愛かったけれど。


10/24 サミュエル・L・ジャクソンの新作映画「フォーミュラ51」。大したことないアクション・コメディだけど、ジャクソンがコーンロウ+キルト+ゴルフバッグで登場する。コーンロウもいよいよメジャーなヘアスタイルになってきたってことか。


10/25 ハーレムのスーパーのガチャガチャに入っているBボーイ・フィギュア「ホーミー」シリーズに遂に日本人キャラ登場。丸刈り・ヒゲ・日の丸Tシャツ姿で、もちろんツリ目。


10/25 ワシントンD.C.エリア連続狙撃犯が逮捕された。42歳の黒人男性で、湾岸戦争に行った元軍人、イスラム教徒。義理の息子17歳ジャマイカンも同時逮捕。…なーんか納得いかないなあ。


10/26 日本版エスクァイア11月号のNY特集。ハーレムも撮り方ひとつでオシャレに見えるから驚いた。でも本当はお爺さん・お婆さん・子供だらけなんだよ。


10/27 地下鉄プラットフォームのベンチに父親と座っていた4歳くらいの男の子が「女は座っちゃだめだ。男だけ!男だ〜け!」と言い出した。隣りに座っていた中年女性は「母親はこの子を躾直さすべきね!」といたく憤慨。父親は聞こえぬ振り。さて、この子はどんな男に育つのでしょうか。


10/28 薄〜い知り合いの陽気なドレッドロックのカメラマン。レストランで声をかけてくれたは良いけれど、向こうもこちらの名前を知らず、「ところで君、名前は?」。ところが彼はヘッドフォンしてたから私の声が聞こえず何度も大声で聞き直す。それにイライラしたウェイトレスがとうとう「●●よ!!」と代わりに叫んでくれた。


10/29 ハーレムのクリーニング屋に行ったら韓国人オーナーがにこやかに「アンニョンハセムニオ」と挨拶してくれた。でも私が「日本人なの」と言うとちょっとガッカリした様子。ごめんね。


10/30 ハーレムに住むジャマイカ系の女の子(11歳)がパワーポイントでジャマイカ・レポートを作った。国旗・歴史・天候・アート、さらには国鳥(!)まで網羅しているのに何故かレゲエは無視。ちなみにこの子はピアノも習っている優等生。お母さんにレゲエなど聴いちゃいけません、とか言われているのかも。




ハーレム徒然1月編
ハーレム徒然2月編
ハーレム徒然3月編
ハーレム徒然4月編
ハーレム徒然5月編
ハーレム徒然6&7月編
ハーレム徒然8月編
ハーレム徒然9月編
ハーレム徒然10月編
ハーレム徒然11月編





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